尺八楽譜の読み方

尺八の曲には5線譜で発売されていないものがたくさんあります。
バイオリンのための曲、ピアノの為の曲、フルートの為の曲などいろいろな曲が作曲されています。 作曲者はその楽器の音色など特性を最大限に発揮するように作曲するでしょう。尺八の為に作られた 曲をピアノで演奏してもかなり手を加えなければ気持ちのよい曲にはならないのではないでしょうか。 尺八の為につくられた曲の楽譜は特殊な記号で書かれています。それを5線譜になおし、MIDIで打ち込んだり するには当然尺八の楽譜を読む必要が有ります。
尺八の楽譜は指使いを中心とした表示になっています。尺八の長さが違っていても指が中心 ですから、同じ表示でも実際の高さは違います。1枚の楽譜の中に長さの違う尺八を書いて有る場合が ありますが、その場合も吹き手中心であり絶対的な音でないので隣の尺八を見ると頭が混乱します。
とりあえず都山流(とざんりゅう)で使われている楽譜の読み方を簡単に説明しておきます。
音程はカタカナみたいな変わった記号です。同じ様な形をしていても、大きさで高さが異なります。 楽譜によっては大小の区別の付けにくいものもあります。
長さは右側の縦線で表示されます。この線が切れているかきれていないかで意味が違います。
甲(かん)乙(おつ)で1オクターブ上の音か下の音かを表しますが、乙の は の次の ろまたは つ は 甲。甲の つ または ろ の次の は は乙という法則を作り、省略してあります。
尺八は音色を楽しむ楽器ですから同じ高さの音でも穴の閉じ方で違う記号で表すものもあります。時間 の都合で今回書けませんでしたので、質問などどしどしおよせ下さい。このページも徐々に充実させたい と思います。

私の所属している「尺八茶清会」(しゃくはちさせいかい)では「磯野茶山編尺八楽譜」(いそのさざんへんしゃくはちがくふ) を発売しています。すべて古曲の楽譜ですが、当然楽譜の内容で同名の曲でもかなり違います。もし古曲を 吹いてなんかしっくりこないという場合にぜひご利用下さい。65曲を6集に分割してあります。