尺八の種類English ishere
長さによる分類
- もっとも頻繁に使用される尺八は8寸管と呼ばれ、全長約54Cmです。
全部の穴を閉じた状態で、また通常の状態で吹いた場合Dの音が出ます。よってD管とも呼ばれます。
1寸刻みで短いもの、長い物があります。1寸短くなるごとに半音高い音が出、長くなるごとに低い音が出るようになっています。
一番短いものは通常33Cm程度の長さです。短くなると穴と穴の間隔が狭くなり、指で押さえ難くなります。
長い物は通常72Cm位まであります。長くなると穴の間隔が広くなり、短いものと違う意味で押さえ難くなります。
現在の尺八は殆ど中継ぎというものがあり、2つに分解して持ち運べ非常に便利に出来ています。
太さによる分類
- 通常太さでは音程差の分類はありません。但し竹という材料の性質で細いもの、太いものはそれぞれ存在します。注文時太いものを欲しい、細いほうがよいと希望出来るようです。
重さによる分類
- 通常重さによる音程差の分類は行ないません。しかし細くても重いもの、太くても軽いものも存在します。細くても重い締まった感じのものが良い音色が出るような気がします。
硬さによる分類
- 硬さによる音程差の分類も行ないません。尺八を指ではじいた時のコツコツという音で、硬いなーというようです。音質が違うのでしょうか?
音色による分類
- いい音で尺八を鳴らしている人の尺八を吹かせてもらっても、自分のあまり良くない音しか出すことは出来ません。また自分の尺八を名人に吹いてもらうと、良い音色が出るような気がします。尺八だけでは音は出ず、吹き手と一体になってはじめて楽器の役割を果たすとすれば、吹き手を含めて「良い音色の尺八」というのが存在するのでしょう。
価格による分類
- 短いもの、長い物は価格が高いようです。長さが一定の場合約3万円から100万円を越えるものまで各種あります。作者や工房による値ぎめの基準がはっきりしません。まして初心者はそれを鳴らすことも出来ませんから価値の判断が出来ません。もし自分で決める場合は「すぐにやめても無駄なお金を使わなくてすむように、安価な尺八もどきを買う」「絶対にうまくなるまでやめないように、出来るだけ高価なものを買う」のどちらかを選択したほうが良いでしょう。しかしその価格の価値の音色を出すにはそれなりの年月を要するでしょうから金利分を考えるととても高価なものは買えません。大富豪ならともかく。尺八を買う場合、もしあなたに先生がいる場合には先生を通じて買いましょう。先生は尺八を教えるだけが商売ではありません。尺八や楽譜を売り、その手数料が先生に入りますから先生も喜んでくれるでしょう。とくに私みたいに先生が貧乏な場合効果絶大です。もちろん先生はその尺八を鳴らすことが出来るでしょうからある程度の価値判断は出来るでしょうし。
材質による分類
- 真竹で出来ているものが尺八だとすれば、それ以外のものは尺八もどきになります。真竹にも産地があるはずですが尺八には竹の産地の表示はありません。その他木製、プラスチック製があります。木製なら2万円程度。
機械加工品のためにサイズなどはよくそろっています。プラスチック製は5000円程度から。初心者には竹の尺八と同等の音が出せます。(竹でも木でも良く鳴ってくれない)。
楽器は鳴って初めて楽器ですからプラスチック製の誰にでも鳴らせるものが初心者にはおすすめです。
穴数による分類
- 普通尺八の穴は5個あいています。しかし鳴らし難い音程の音をより簡単に出せるように考案された7穴の尺八もあります。もしかしたら6穴や8穴も考案されているかも知れません。
歌口による分類
- 尺八の息を吹き当てる部分に埋め込んである物のかたちが流派によって異なります。
このかたちの違いは楽器としては殆ど影響ない様に思います。
穴位置による分類
- 流派により穴の位置が違うようですが、出る音程が同じならあまり関係ないと思います。また製作者によっても穴位置が異なるようです。
色による分類
- 製造直後は白っぽいものが年月とともに茶色が濃くなります。それには椿油による手入れも影響しているのではないでしょうか。買う時にすでにくろっぽいのはやや高価な気がします。色は音色に関係ないとおもうのですが。
かたち(容姿)による分類
- ねっこの部分から何節目に始めの穴というのが決まっているようですが、ねっこの形や曲がり具合に非常に個性があります。格好の良いものはやはり割高だと思います。音に関係があるかどうかは疑問です。
品質表示による分類
- 販売されるとき普及管、高級管などの分類を販売者側で決められています。しかし価格同様その基準はまちまちですから工房など異なると比較できません。その工房での呼び方と考えられます。